バスのお仕事

バスにかかわる仕事

バスの仕事というと、真っ先に思い浮かぶのはバスの運転士さん。それから、バスガイドさんに、女性運転士さんも、今では珍しくありません。それ以外の仕事でも、バスの運行を支えるさまざまな仕事があります。ここでは、バスにかかわる仕事のうち、いくつかの仕事をご紹介します。

JOB No.1 バスの運転士

バスの運転士という仕事

制服、制帽を身に付け、大きなバスを自在にあやつる「運転士さん」は、昔から子どもたちの憧れでした。運転士の最大の責任は、乗客の皆さんを安全に、確実に目的地まで送り届けることです。ひとたび事故ともなれば人命にかかわる重大な結果をもたらすこともありますし、運転中は車外はもちろん、バスの車内の安全や乗客の方々の健康状態、乗客どうしのトラブルにも、十分な気遣いが必要です。また、公共交通機関として社会への貢献度も高く、その重要性、必要性も広く利用者に認められた仕事です。だからこそ、頼もしいその姿が誰の目にもカッコよく見えて、やりがいの大きな、魅力ある仕事と言えるでしょう。

バスの運転士になるには?

バスの運転士になるには、「大型二種免許(受験資格~普通免許等取得後3年以上)」が必要です。バス会社によっては、「普通免許等取得後3年以上」の方を採用して一定の条件のもとに大型二種運転免許を取得させたり、また、高校新卒者(普通免許未取得)を採用し、大型二種免許等が取得できる年齢になるまで営業所業務を中心に経験を積ませ、免許取得後にバス運転士として運転業務に従事させる制度を設けているところがあります。2022年5月からは、改正道路交通法により受験資格を緩和するための特別な教習(受験資格特例教習)を修了することで、受験資格要件を19歳以上、普通免許等保有1年に引き下げられる特例が設けられています。多くのバス会社では、面接のほかに適性試験、運転技能試験などを実施して、総合的な判断として、採用を決定しています。また、路線バス、観光バスなど、運転するバスの種類によっても採用条件、労働条件なども変わります。まずは、運転士になりたい地域のバス会社を調べて、応募資格や採用条件などを調べてみましょう。

統計データで見るバス運転士

2020年3月末現在のバス運転士数は乗合貸切の合計125,320人です(国土交通省データ)、また、日本バス協会の2021年7月の調査(※)によると、女性運転士は2,128人(乗合1,726/貸切402)で、年々増加の傾向にあります。また、高年齢運転士数(満60歳以上)は20,514人で、高齢者運転士を雇用している会社の全バス運転士の23.4%を占めており、バス運転士は定年後も比較的安定して務められる環境であることがわかります。

(※車両数10両以上の日本バス協会会員事業者1,437社を対象にアンケート調査。回答率53.8%)

JOB No.2 バスガイド

バスガイドという仕事

バスの仕事のもうひとつの華といえば「バスガイドさん」です。修学旅行や社員旅行など、観光を目的としたバス旅行には欠かせない存在です。制服に身を包んだバスガイドの、楽しく親しみやすい観光ガイド、ときに披露されるやさしい歌声やクイズなどによって、どれだけ多くの方々が、楽しく、思い出深い旅行を経験されたことでしょう。
バスガイドの仕事は、バスの運転士のパートナーとして、駐車時の安全確認やバスの誘導、旅行ルートでの安全確認など、運転士さんと協力しながらバス旅行を運営する大切な役割も担っています。もちろん一番の仕事は観光ガイドとして、観光地の歴史や地理、史跡や名物、さまざまなエピソードなどを紹介することであり、このための勉強は欠かせません。そして何より、健康と体力が第一です。一日中立ちっぱなしで仕事をする場合も多々ありますが、さまざまな場所に行けること、名産や美味しいものが食べられることなど、楽しいこともたくさんあります。
お客様にとってこのバス旅行は、もしかすると一生に一度かもしれません。そんなお客さまの大切な出会いが思い出となるなら、バスガイドという職業は、他の仕事では味わえない、特別な仕事となることでしょう。

バスガイドになるには?

バスガイドになるには、バス会社への入社が必要となります。鉄道関連のバス会社、観光バス会社、各都道府県の交通局などに入社して、バスガイドになるための研修を受けます。そこで接客業務や乗務員としての基本を学び、研修後は先輩のバスガイドと同伴してさらに経験を積みながら、独り立ちすることになります。研修内容は、会社によってさまざまですが、発声法、話し方、マイクの使い方などの基本マナーから、カラオケやゲーム、クイズなど旅行の演出のノウハウなどを習得していきます。

統計データで見るバスガイド

2021年7月の日本バス協会の調査では、バスガイド数は、236社において2,605人で、前年に比較すると77人減で、減少傾向にあります。これは、観光バスでの旅行スタイルの多様化にともなうバスガイド需要の減少、バス会社による養成コストの削減化傾向、派遣やアルバイトなどの雇用形態の変化など、さまざまな要因が考えられます。

JOB No.3 バス整備士(メカニック)

バス整備士という仕事

バス整備士は、バス車両の「安全」を司るとても重要な仕事です。バスの運転士自身が、毎日運行前と運行後の点検を行なうのが通例ですが、バスの場合は乗客の安全を守るために、自家用車とは比較にならないほど厳しい安全基準が定められています。このため、自動車整備士2級の資格を持ったプロの整備士が、法令で定められた3ヶ月点検と12ヶ月点検(車検)を実施します。バス会社によっては法令で定められた期間より短い期間で、自主的に定期点検を行う会社もあります。もちろん、何か異常が見つかったときには、どこに問題があるかを判断して臨時に故障対応を行うだけでなく、運行時のトラブルでは、その場で対応できるだけのスキルと経験が求められることもあります。

バス整備士になるには

バス会社の技術部門や、バス整備を取り扱う自動車整備会社に入社する必要があります。自動車整備士の専門学校を卒業された場合は、卒業までに自動車整備士3級の資格が与えられますので、この場合は1年程度で自動車整備士2級の資格を取得して、さらに実践を積むこととなります。一般の高校や大学、専門学校を卒業した場合は、入社後にさまざまな研修を受けながら、自動車整備士3級、2級と資格を取得しながら、ステップアップを目指します。そして自動車整備士2級の資格を取得してからは、法令点検作業をひとりで責任をもって実施できる「検査主任」になることが目標となります。通常は、2年〜5年程度で法令点検作業が行えるようになりますが、「検査主任」として法令点検の書類提出までができるようになるには、さらに数年の経験と実績が必要になります。路線バスを扱う場合は、ワンマン機器(運賃精算機)整備に関する知識や経験も必要です。

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