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女性バス運転手についてみんなで語り合うイベント開催!

東京・表参道での「第1回 女性バス運転手の会」が活発な情報交換の場に

2018年3月28日、東京・表参道のレンタルスペース「hanami 表参道」で、一般社団法人 女性バス運転手協会が主催する「第1回 女性バス運転手の会」が開催されました。女性バス運転手がもっと活躍できる明日をめざすイベントでは、現役女性バス運転手によるトークセッションなどに、参加者の真剣なまなざしが集中。運転手志願者なども含めた交流会では、活発な情報交換が行われました。
全国から30人ほどの女性の方々が集まり、明るく華やかな雰囲気の中に熱気の感じられるイベントは、貴重なコミュニケーションの場となりました。仕事のやりがいや悩み、女性だからこそ輝ける点などをみんなでシェアできる有意義な時間となりました。

トークセッション後には、参加者が集合した記念撮影の時間も設けられました

■女性のバス運転手を増やすことが業界の活性化につながる

おしゃれなスペースの中、初めてのイベントは
活気にあふれた雰囲気で進みました

●北から南まで全国からの参加者で活気あふれる会に

「女性バス運転手の会」には、全国から多くの女性が参加。参加者は関東だけではなく、宮城、静岡、富山、大阪、奈良、島根、山口、鹿児島と、まさに北から南までとても幅広いのが特徴でした。開会前には、事前アンケートの回答「この会に期待する声」をスクリーンで紹介。その中には「同性のドライバーに会うことがないので、楽しみにしています」「人と話すのが苦手ですが、バスには興味があるので参加しました」「バス運転手への転職を考えています。これから妊娠・出産を経ても働き続けたいので、どんな会社を選んだらよいか。そしてバス運転手としての体力的な負担はどのくらいか聞いてみたいです」などさまざまな声がありました。

一般社団法人 女性バス運転手協会の
代表理事・中嶋美恵さん

●全国のバス運転手の女性の比率を10%にまで高めたい

そして13時に開会。まず初めに一般社団法人 女性バス運転手協会の代表理事である中嶋美恵さんから、女性バス運転手の現状や、今後の取り組みなどについて紹介されました。「バス業界の採用のキーワードは、若者と女性と言われています。女性のバス運転手を増やすことが、業界の活性化につながることは間違いありません。現在、全国のバス運転手に占める女性の比率は約1.5%で、1,600人くらいと言われています。当協会では、この比率を将来10%にまで高めたいと考えています。日本の女性バス運転手を増やし、その環境をより良いものにしながら、バス業界にイノベーションを起こせるよう取り組んでいきたいです。今日はみなさんの普段の想いをお話しいただき、何かをお持ち帰りいただけると幸いです。どうぞ楽しくお過ごしください」と語られました。

「バス業界にイノベーションを起こしたい!」
という力強い決意も
プロジェクターとスクリーンによって、
数々のデータが紹介されました

■みんなで意見を交換し魅力を発信する場を大切にしたい

国土交通省 関東運輸局の
自動車交通部長・森高龍平さん

●学問に王道なし…着実な一歩の積み重ねが実を結ぶ

続いて、国土交通省 関東運輸局の自動車交通部長である森高龍平さんからのごあいさつがありました。「我が国の経済にとって欠かすことのできない重要な交通基盤において、近年、労働力としてのドライバーの確保は重要なテーマです。そこで、国土交通省だけではなく、関係省庁が一体となって取り組みを進めています。関東運輸局でも『トラック、バス、タクシードライバー 魅力・情報発信サイト』でさまざまな情報を提供。さらに支局では高校などを訪問し、ドライバーという職業の魅力をお伝えしています。『学問に王道なし』と言われるように、このような会も含めて、地道にコツコツとドライバーのネットワークを作り、意見を交換し、魅力を発信することが大切ではないでしょうか。今日蒔かれた種から芽が出て、それを育てる作業を通じて、美しい花が咲くことを祈念いたします」と語られました。

日本バス協会 常務理事・船戸裕司

●車両や技術の進化で、運転に対するサポートも向上する時代に

続いて、当協会(日本バス協会)の常務理事である船戸裕司が登壇。「現在は乗合バスが約6万台、貸切バスが約5万台という中で、運転手は乗合バスが約8万4千人、貸切バスが約4万9千人となっており、男性の運転手が多い状況です。昔はパワステなどもない時代で、大型のバスの運転にはたいへんな苦労もあったと思います。しかし時代とともに車両や技術が進化し、運転に対するサポートも向上してきています。これからはさらに多くの女性の方々に大型二種免許を取得していただき、ともにバス業界を支えていただけたらと思います」と語りました。

■やりがいのある仕事でかけがえのない喜びも多い

●バス会社5社の女性バス運転手によるトークセッション

そして、現役女性バス運転手によるトークセッションでは、バス会社5社の女性運転手がステージへ。それぞれの自己紹介からスタートし、穏やかな雰囲気の中で、さまざまなエピソードを含めたトークが繰り広げられました。

5人の現役女性バス運転手が登場し、トークセッションが行われました

羽田京急バス株式会社・さとみさん

●接客のお仕事でもあるため、うれしいコミュニケーションも

羽田京急バス株式会社のさとみさんは、バス運転手歴3年。「今日は4月からの新制服で来ています。社会人になった時には外回りの仕事をしていて、運転も好きでした。そうした中で、3年前に母が女性バス運転手の求人広告を見たと伝えてくれたのが、現職のきっかけです。ちょうど会社で女性バス運転手を積極的に採用しようというプロジェクトがスタートした時で、私はその第1期になります。この仕事に就くまでは、男性社会で怖そうというイメージもありましたが、入ってみるとそんなことはありません。空港のターミナル間連絡バスを運転していますが、半分は接客のお仕事だと思っています。車いすや白杖を使われている方も多いのですが、お手伝いをしたりコミュニケーションを取る中で、お客様に『頑張ってね』『ありがとう』と言っていただくとうれしいですし、モチベーションが上がります」と語られました。

日立自動車交通株式会社・あきこさん

●年齢の壁のない仕事であると多くの人たちに伝えたい

日立自動車交通株式会社のあきこさんは、バス運転手歴1年3ヵ月。「千代田区と中央区のコミュニティバスを運転しています。バス運転手になったきっかけは前の会社でのリストラでしたが、以前に女性の運転手さんと出会って『女性でもバスを運転できるんだ』と記憶していたことが転職につながりました。この仕事を始めたのも遅く、まだ経験も浅いですが、そんな私だからこそ、年齢が上でもバスの運転手になれることを伝えたいです。ぜひ多くの女性の方々に仲間入りしてほしいと思います」と力強く語られました。

大新東株式会社・りえさん

●お客様との心の距離が近く、思い出の1ページに寄り添いたい

大新東株式会社のりえさんは、バス運転手歴12年。「私は舞浜リゾートエリアにてホテルの送迎バスを運転していますから、毎日とても幸せな気分で働いています。元々旅行業に携わっていたので、大型バスの運転がカッコいいなという興味はありました。ある日、クリスマスシーズンにリースを付けたバスと制服姿のドライバーさんに恋し、まさに憧れの仕事に就いて現在に至っています。お客様との心の距離が近い仕事ですし、『運転手さんと一緒に写真を撮りたいです』などと声をかけていただけると、そうした方の思い出の1ページに寄り添えると感じてうれしくなります」とにこやかに語られました。

東京空港交通株式会社・あゆみさん

●今後はさらなる仕組みづくりや環境づくりへの取り組みも必要

東京空港交通株式会社のあゆみさんは、バス運転手歴4年。「空港内のランプバスを運転し、旅客ターミナルビルから離れた場所の航空機までお客様をお連れしています。私は以前、羽田空港のポーターの仕事をしていたのですが、ここのリムジンバス運転手の女性第1号になるんだと心に決めて、去年入社しました。これからこの業界で女性バス運転手を増やすためには、労働時間や勤務体系の柔軟性も必要でしょうし、生理休暇などを取りやすい環境づくりも大切になるでしょうね」と貴重な見解を語られました。

京王バス南株式会社・きみえさん

●何かあれば助け合うという会社のサポートがある

京王バス南株式会社のきみえさんは、バス運転手歴17年。「路線バスや空港連絡バス、さらには富士山へ向かうバスなどの運転をしています。私はとにかく運転が好きで、最初はトラックから始めてバスの運転手に転身しました。トラックに比べると運転時間が短いし、お客様と会話をする機会が多いですね。私の会社では一昨年に女性専用休憩室ができました。女性がアイデアを出して作った空間で、ピンクと白を基調とし、かなりの広さがあります。テレビやソファ、リクライニングチェア、ベッド、シャワー室、洗面室などが完備しています。とても快適ですから、みなさんお待ちしています(笑)。これからは、このような情報交換のできる場がもっと増えて、決して男の仕事ではないのだと知っていただけるといいですね。もちろんたいへんなこともありますが、かけがえのない喜びもあります。私がこの仕事を長く続けられているのは、何かあれば助け合うという会社の人たちのサポートやアドバイスがあるからです。これから少しでも多くの女性バス運転手の姿を見かけられるように、私も頑張っていきたいです」と語られました。

女性専用休憩室にはリクライニングチェアやテレビなどがあり、ゆったりと寛ぐことができます

●質問に対するやり取りや詳しい現場の紹介なども

大きな拍手で締めくくられたトークセッションの後は、休憩を挟んで交流会に。テーブルごとに、美味しいスイーツを食べながら歓談が行われました。具体的な質問に対するやり取りがあったり、さらに詳しい現場の紹介がなされるなど、「この時間と空間を大切にしたい」という参加者の想いが伝わってくるものでした。

テレビや新聞などメディアによる
取材も多く見られました
近い距離で生の言葉が聞ける機会であり、
参加者にも好評でした


取材後記

この会を取材して、これから女性バス運転手の活躍がさらに増えることへの大きな期待を改めて感じました。テレビや新聞などマスコミ各社による取材も行われ、各方面から大きな関心が寄せられていることも実感でき、活発な情報交換がなされた意義は大きいと思います。今後もこのようなイベントや取り組みを続けることが業界のイノベーションにつながり、女性がますます活躍できる社会につながることを願います。


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