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バスの最新技術を体験! 第4回『バステクin首都圏』

秋晴れの幕張で開催された体験型イベント! 第4回『バステクin首都圏』

2018年11月2日(金)、第4回「バステクin首都圏」が千葉市の幕張メッセ屋外展示場と隣接地で開催されました。主催は「バスラマ」でおなじみの、株式会社ぽると出版。日本バス協会・中央技術委員会全国大会との連携イベントになっています。秋晴れの中、屋外開催であることから多くの実演を含むさまざまなプログラムが催され、全国から集まった方々が会場に足を運び参加されている姿が見られました。
基本的には話題のバス車両および周辺技術・機材が一堂に会し、情報を共有し合うバス業界向けのイベントですが、一般の方々もご来場され、楽しみながらバスに触れる一日になりました。

 

第1会場、第2会場共に、各社のさまざまなバスが集結しました

■ステージ上でもさまざまな技術をアピール

●各社の見どころがよく分かるプレゼンステージ

いつも好評の体験型バスイベント「バステクin首都圏」は今回が4回目の開催になります。朝10時から夕方4時までの開催でしたが、朝から多くの人々が会場を訪れていました。メインのプレゼンステージは、午前の部が10時30分から、午後の部が13時30分からスタート。出展している各社の人たちが順番にステージに上り、見どころなどをアピールしました。

午前中から秋晴れの日差しのもと、多くの人たちが
プレゼンステージに見入っていました
各出展企業がバスの最新技術や見どころなどを、
パネルなども使いながらアピールしました

 

【インタビュー】株式会社ぽると出版の和田由貴夫さん

株式会社ぽると出版 バスラマ編集長の
和田由貴夫さん

●これからも多くの人に喜んでいただけるイベントへ

バステクを主催する株式会社ぽると出版でバスラマ編集長の和田由貴夫さんにお話をうかがいました。「元々はバスラマの創刊20周年記念事業の一環で、2010年に大阪で『バステクフォーラム』というイベントを初めて開催しました。こちらは2018年で9回目、次回が10回目になります。バスに関する多くのイベントには、おもてなしをする・されるといった関係がありますが、このイベントはみんながバスのいろいろな情報を共有できる場所。しかも屋外開催ですから、煙を出したり、音を出したり、道を走ったりもできます。衝突被害軽減ブレーキなども、ここで実際に体験できることで話題になりました。大阪では毎年開催してきた『バステクフォーラム』ですが、首都圏でもぜひやってほしいという要望がたくさんあり、3年前の2015年に第1回の『バステクin首都圏』を埼玉スタジアムで開催。第2回からここ幕張で実施しています。私たちはニュートラルな立場の出版社ですから、競合関係もなく、皆さんに親しんでいただける部分もあると思います。これからもカジュアルな雰囲気の中で情報共有していただきながら、多くの人に喜ばれ期待されるイベントにしていきたいと思います」…と、歴史的な背景も含めて丁寧にご紹介いただきました。

 

■エンジンルーム自動消火装置の実演

●激しい火災もウォーターミストで安心消火!

プレゼンステージの横では、株式会社ニチボウによる、エンジンルーム自動消火装置の実演が行われました。万一のエンジンルームの火災、電池火災、燃料火災など、あらゆる火災を急速消火する電源不要の「ウォーターミスト消火システム」を紹介。迫力のある炎と瞬時に消火される様子を目の当たりにし、多くの人の感心する表情が見られました。

 

まずは装置などを説明。かなりの迫力があり、
毎回バステクでの目玉となっている企画です
株式会社ニチボウが販売するウォーターミスト消火システム
「フォグメーカー」のデモンストレーション。
振動に強い特許構造のシリンダーが、狭い空間にも対応します

 

ここで50ミクロンという小さい粒子の
ウォーターミストを放出!
みるみるうちに庫内の温度が下がっていきます。
もうすでに334℃まで下降
模擬エンジンルームに火をつけて、
温度は631℃まで一気に上昇しています

 

午前中の実演では多くの人々が見学に訪れていました
(他の実演写真は夕方の回のもの)
大量の水蒸気が出て鎮火。61℃まで下がっています。
さらに再発火リスクも最小化されるとのこと

 

■特別展示の燃料電池バスなどにも注目が集まる!

●次代の先駆けとなる東京都交通局の「SORA」

第1会場では、東京都交通局の燃料電池バス、トヨタ「SORA」も展示されました。東京都交通局では2017年3月から、市販車では日本初となる燃料電池バスの運行を開始。燃料となる水素を車載の高圧タンクから燃料電池に供給し、そこで空気中の酸素と化学反応させて作った電気でモーターを駆動させ走行させています。また、燃料電池バスは災害時の電力供給にも貢献することができます。

「SORA」の運転席。視界支援カメラシステムなども
装備されています
「SORA」は、都05-2系統
(東京都丸の内南口〜東京ビッグサイト)を運行しています

 

普段は見ることのできない部分も公開され、
訪れた人も満足されていました
「SORA」の後部座席。
清々しいカラーリングも魅力です

 

 

●安全運転訓練車などもお目見えし、来場者の興味を惹く

特別展示された日の丸自動車興業の「SKY BUS」に乗り、2階からの特別な視界を楽しむ人の姿も見られました。また、京成バスの安全運転訓練車「S.D.T.B」にも多くの人が乗車。京成バスが運転士教育の充実による安全性向上・接客向上・燃費節減などを目的に導入した訓練車で、アイマークレコーダーや、車内・車外安全確認器、サラウンドアイなどを装備したバスに関心が寄せられました。

「SKY BUS」の2階から各社の展示ブースを
見渡すこともできました
第1会場の中央に登場した
ネオプラン製2階建てオープントップバス「SKY BUS」

 

車内には訓練用の装備や燃料流量計などが搭載されていました
安全運転訓練車「S.D.T.B(Safety Driving Training Bus)」

 

いかに安全性を向上させるかなど、
さまざまな工夫の盛り込まれた訓練車です

 

■第2会場でも車両展示や試乗・実演などを開催

●新たなバリアフリーの取り組みも紹介

道を隔てた第2会場にも多くのバスが集結。その勇姿が集まった人の目を楽しませていました。そうした中で、日野自動車の「セレガ」のリフト付きタイプも展示され、車いすの利用者による実演も行われていました。

大型バスの勇姿が並ぶ第2会場の方にも、多くの人が訪れていました

 

 

日野「セレガ」ではリフトを昇降する実演も行われました

 

■さらに新しい安全性能も実際に試乗体感!

●日野「セレガ」搭載のドライバー異常時対応システム「EDSS」

第2会場では、午前と午後の計3回、日野自動車「セレガ」における最新鋭のドライバー異常時対応システム「EDSS」を体感する試乗会が行われました。「EDSS(Emergency Driving Stop System)」とは、ドライバーに急病などの異常が発生した際、ドライバー自身や乗務員がドライバー席のスイッチを押すか、もしくは乗客が客席上部のスイッチを押すことで、車両が制動スタート。徐々に速度を落として停止するというものです。
2016年に軽井沢で起きたスキーバス転落死傷事故など、大型バスの重大事故が相次いだことを教訓に、国土交通省が定めたガイドラインに基づき、メーカーによる新たな開発が進められています。この「EDSS」によっても、ドライバーの急変時の緊急停止で、大きな事故を少しでも防ぐことができます。

客席上部に設けられた非常ブレーキのスイッチ
日野「セレガ」で走行しながらの「EDSS」の実演。
システム作動時にはハザードランプの点滅や
ホーンにより、周囲の注意を喚起します

 

「セレガ」の車体には「衝突被害軽減ブレーキ」
「車線逸脱警報システム」「ドライバー異常時対応システム」の
ステッカーが貼られていました
実際に乗客がスイッチを押して、バスが安全に停止するまでを
体験することができました

 

 

■会場を飛び出した超節水型洗車機の見学ツアーも!

●超節水型洗車の特許技術である「Arash」を体感

会場を飛び出して、京成バス営業所でJR東日本コンサルタンツ製の超節水型洗車機「BIG WASHERⅢ」を見学するツアーも計4回行われました。会場を出発して戻ってくるまで約60分。途中で車窓からは美しく輝く海も見えるなど、お得感満載の企画でした。「Arash(アラッシュ)」とは、微細なミストと強力なエアーによる革新的な洗車技術。車体がすみずみまで美しくなり、拭き上げ作業の手間も軽減。さらには超節水で水道代を大幅に削減できるという、まさに優れもののシステムでした。

 

操作が非常に簡単であることなどの
説明も行われました
京成バス営業所に到着すると、
まずはどのような洗車技術なのかを説明

 

細かな水滴が飛び散る迫力の様子を、
リアルに体験できました
いざ、洗車へ。パーサーブラシと呼ばれる
特殊なブラシも活躍します

 

       
洗車が終わりきれいになった車体を、
多くのツアー参加者が見つめていました

 

■衝突防止補助装置を分かりやすく実演!

●追突警報システム「モービルアイ」を公道で確認

テレコムが販売する後付け型の衝突防止補助装置「モービルアイ」の効果を、公道で確認する実演が計5回行われました。丁寧な説明とともに、大型モニタにシステムが表示され、車間距離に伴う警報を走行とともに確認することができました。

大型モニタにシステムが映し出され、
実際の車間距離と警報の作動を確認できました
システム搭載車に試乗できることで、
そのメリットがよく伝わりました

 

なお、会場ではどの展示が参考になったか、
来場者による投票も行われていました

 

 


取材後記

大阪で始まったイベントが好評を博し、これまで大阪では9回、首都圏では4回の「バステク」が開催されました。日本バス協会・中央技術委員会全国大会との連携イベントでもあり、今回の「バステクin首都圏」に今まで以上の多くの方々に足を運んでいただけたことは、とてもうれしく感じました。このイベントはバス事業者、メーカー、そして利用者の出会いの場であり、情報を積極的に交換する場。各出展企業のブースでも至るところで活発なやりとり、意見交換などを目にすることができました。こうした取り組みを通じて、バスにおける技術がさらなる進化を遂げ、より一層「安全・安心なバス輸送サービス」を支えていくように願いたいと思います。

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