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令和4年 年頭の辞

令和4年 年頭の辞

令和4年 1月 1日

公益社団法人日本バス協会会長 清 水 一 郎

明けましておめでとうございます。日頃より協会の運営にご理解とご支援を賜り御礼申し上げます。

昨年を振り返りますと、バスを取りまく環境が大変厳しい中、関係の皆様のご尽力により、雇用調整助成金特例措置の延長、金融支援措置の拡充、感染予防対策に係る補助金等の充実など様々な対応を講じていただきましたことに心より感謝申し上げる次第です。

新型コロナの影響で、一年半にもわたる人流抑制により、バス業界は戦後最大の危機です。路線バスは、お客様がいなくても休むことはできません。貸切バスは、旅行の激減で、需要が一気に消えました。公共交通とは言っても民間会社。地域の交通の確保のために必死にやっていますが、民間の努力だけでは限界があります。地域の交通確保は、危機にあります。

人流抑制は、合理的なのか、データとエビデンスに基づいて検証して頂きたい。これまでやむを得なかった部分があるのかもしれませんが、ワクチン接種が多くの人に浸透する中、マスクして対策して交通機関に乗ることで本当に感染が広がるのか、データで示すべきです。マスクして満員電車に乗ってクラスターが起きたという例も聞いたことがありません。マスク外した大騒ぎと、きちんとマスクして対策して交通機関で移動することは、人流として一緒にすべきではないと考えています。バスは換気も消毒も徹底しています。人が動かないと経済は止まってしまう。帰省や旅行、出張もして頂きたい。行った先では慎重に、マスク外して騒いだりしなければ良いのではないでしょうか。

GOTOトラベルについても、早期の再開を期待していますが、ぜひ、マイカーより、公共交通機関を利用して頂きたい。マイカーで移動するだけでは、地方経済への波及は限定的です。旅行先でも、バスなど交通機関に、もっと乗って頂きたい。

今は、コロナと原油高のダブルパンチ。サーチャージの仕組みも無いため、コストを転嫁することもできません。

乗合バス事業については、長年、ブロック平均コストで運賃が算出されてきており、コスト計算方法について、より実態を反映した方式にとお願いして参りましたが、一月より新たな基準により運用が開始されました。また、認可権限についても、大半のバス事業者については本省認可となっていますが、せっかく地方支分部局として、地方運輸局が存在しているのですから、地方のことは地方で、地方の実態を一番分かっている運輸局の認可として頂きたいとお願いしているところです。いずれにしても、早期の運賃改定が実現するよう、国にお願いして参ります。

貸切バス事業については、コロナにより市場が一変し、供給過剰、過当競争となっています。安かろう悪かろうとならないよう、ダンピング対策など安全対策は、国も業界も累次の対策を推進していますが、コロナを契機に、貸切バスの事業環境は、すっかり変わってきています。貸切バスの規制緩和から20年以上が経ち、運行管理や事業規模のあり方など、この機会にしっかり見直すべきと考えます。

安全は全てに優先します。バス業界は、今後も安全を最優先にやって参ります。また、地球環境に配慮したバスを目指すとともに、バスにおけるデジタル化や、スマートフォンで決済や乗り降りができるMaaSを推進するなど、未来あるバスを目指して参ります。

バス業界は、戦後最大の危機にありますが、会員事業者の力を更に結集して、安全・安心な輸送サービスの提供に努め、バス事業の発展を目指して参ります。皆様のご理解、ご協力を重ねてお願い申し上げます。

皆様のご健勝とご発展を祈念して年頭のご挨拶とさせて頂きます。

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